ときがわ町立玉川小学校の授業を見学しました②(ICT支援員)

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ときがわ町立玉川小学校のChromebookを活用した授業を見学しました(その2)

ときがわ社中の風間です。
2021年6月7日(月)に、ときがわ町の玉川小学校でChromebookを活用した授業を見学しました。

6月4日(金)に続いて2回目の授業見学です。
(前回の見学の様子はこちら

今回は教育長や教育総務課長も見学会に参加していて、注目の高さがうかがえます。

前回は3年生の23人のクラスの理科、今回は4年生の40人のクラスの社会でした。
学年は1つ違いで、教科や学級の人数も違う環境での授業となりました。

校長先生に聞いたところでは、3年生の担任のE先生と4年生の担任のK先生は、ペアになってChromebookを使った授業づくりを積極的に進めているそうです。

前回の授業見学を受けて、今回も新たなチャレンジを考えたとのこと。
子どもたちの反応が楽しみです。

Chromebookを楽しみにする子どもたち

授業は先生の説明から始まりました。
お題は「3R」
リデュース、リユース、リサイクルについて考えようというもの。
これらの言葉の意味をChromebookで調べながら、自分たちにできることを考えるという内容でした。

前回の授業見学では、予め用意されていたプリントに、動画を見ながら答えるというものでしたが、今回は自分たちで検索して答えを探す必要があります。
「検索」機能を使うというのが、今回のテーマのようです。

先生が「Chromebookを使って調べましょう」と言うと、子どもたちから口々に「やったー!」の声。
みんな嬉しそうです。
「自分のPC」というのと、新しい道具を使うというのが嬉しいんでしょうね。

ただ、私たちは普段何気なく検索を使っていますが、子どもたちからするとまだ難しい様子。
慣れないキーボードでのローマ字入力ということで、「リデュース」「リユース」「リサイクル」と打つだけでも苦戦している様子が見られました。
いろいろ試すうちに「3R」と入力すれば簡単に済むことを他の子に教えている子も。

「検索」と一口にいっても、要素を分解していくといろんな知識やスキルが必要なんだと分かります。
ざっと書き出してみるとこんな感じでしょうか。

  • 何を調べればいいかという問題発見能力
  • なんという言葉で検索すればいいかという思考力や言語能力
  • キーボードで文字を入力するスキル
  • 検索でヒットしたサイトに、知りたかったことが書かれているか判断する能力
  • 書かれていることを理解する読解力
  • 理解したことを自分の言葉でまとめる情報編集能力

検索して出てきたサイトは大人向けに書かれたものが多いので、子どもには難しい内容のものも多かったようです。
ヒットした多くのサイトから、自分が分かりやすいページを探すのに苦労している子もいました。

あれこれ見ていく中で、画像から分かりやすいイラストが描かれたサイトを見つけた子や、子ども向けにルビが降られたり平易な文章で書かれたりしたサイトを見つけた子もいました。
また、端末の操作自体は慣れた子もいるようで、他の子に操作の仕方を教えてあげている子もいました。

いろいろやっていく中で、子どもたちが自分で調べたり、工夫したりしながら、目的のものを見つけ出すというプロセスは自主性を引き出しますし、自分でやり遂げるというプロセスからやがて自信につながるのではないかと思いました。

一方で難しさも

一方で課題も見られました。

一番感じたのは人数の多さへの対応です。
前回は20人ちょっとでしたが、今回は40人のクラス。
検索だけであれば目立つアクセスの遅れはなかったものの、操作面で十分フォローが行き届かない子どもたちもいたようです。
特に隣の席に誰もいない子は、誰かに聞くことも難しく孤立しがちでした。
担任の先生に加えて、支援役の先生も2人ついていましたが、それでも十分ではないように見えました。
(もちろん、まだ操作に慣れていないということもあるかもしれません。)

人数が多いクラスであれば、たとえば何人かのグループに分けて授業をするといいかもしれません。
パソコン操作に慣れている子、よく言葉を知っている子など、それぞれの得意なことも活かしながら調べ学習を進められるのではないかと思いました。
また、子どもたち同士で教え合うこともできるので、先生の負担軽減にもなりそうです。

ICT活用の可能性

上のような課題はあったものの、全体としてやはりICTの活用には大きな可能性を感じました。

  • 前回の授業見学では、子どもが自分の理解速度に沿って、動画を見ながら課題を進めている場面があったこと
  • Googleフォームを使うことで、即座に採点ができ、教員の負担軽減にもなるうえ、正答率などのデータも蓄積でき、今後の学習を進める上で参考にできること

この2点は2回の授業見学を通じて、特に強く感じたことです。

今回の授業見学に応じてくれたK先生も、「使い方を覚えれば、いろんなことができそう」と手ごたえを感じているようでした。

玉川小学校の取り組みをときがわ町のICT推進の一つのロールモデルとして、今後ほかの小中学校でのChromebook活用に向けて研修を進めていきたいと思います。

玉川小学校の皆さま、ありがとうございました!

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この記事を書いた人

埼玉県草加市出身、坂戸市在住。2児の父。越谷市役所に14年間勤務し、農業や商工業、伝統工芸振興、企業誘致などに携わり、多くの新規事業を手がける。比企起業塾第2期生。2020年3月起業。埼玉県比企郡を中心に、行政や中小企業のお助けマンとして、官民連携、新規事業開発、地域教育、関係人口づくりなどに取り組む。地域プロジェクトコーディネーター。共著に『地域でしごと まちづくり試論』(2021年2月発行)

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