ときがわ町立玉川小学校の授業を見学しました(ICT支援員)

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ときがわ町立玉川小学校の授業を見学しました

ときがわ町では昨年度、国のGIGAスクール構想の推進を受けて、小中学校の児童・生徒への1人1台のChromebookが整備されました。

ときがわ社中代表の栗原と私は、昨年度からときがわ町教育委員会のICT支援員を拝命しています。
先日、教育委員会と今年度どのようにICT研修を進めるかについて打ち合わせを行った際に、耳寄りな情報をゲットしました。

「玉川小学校では既にChromebookを使った授業が行われているらしい」

これが本当ならば、これがときがわ町でのモデルケースとなり、Chromebook活用を強力に推し進めるきっかけになる可能性があります。
栗原と私は教育委員会の担当者の方に、「ぜひ授業を見学させてほしい」と強く希望しました。

そして、さっそく教育委員会の担当者の方と、小学校にご協力いただき、6月4日(金)にChromebookを使った授業の見学会が実現しました。

ときがわ町におけるChromebook活用のロールモデル

Googleフォームでの小テスト

授業の科目は理科。
学年は3年生でした。

授業開始にあわせて教室に入ると、既に子どもたちの机の上にはChromebookが準備されていました。

「さあそれではChromebookを使って前回の授業の復習をします」

おお、いきなりきました!

先生の指示に沿ってChromebookを開き、classroomに次々にアクセスしていく子どもたち。
すごくスムーズです。
大型モニターに映った先生の端末の画面を見ながらというのがすごく分かりやすいです。

そして投稿に表示されているURLをクリックすると、Googleフォームで作った小テストの画面に。
後で聞いたところでは、前日の研修会で使っていたものをさっそく真似してみたとのこと。
(学んで即実践という姿勢が何よりすばらしいです!)

回答から採点までフォームの画面で行われていて、子どもたちが「自分でやっている感」が出ています。

次にモニターに表示されたのは、全員のテスト結果のデータ。
どの問題で間違えた子が多かったのかが一目瞭然です。
通常の紙のテストだと、その場で採点するのも大変だし、返却してしまうと先生の手元には何も残りません。
でもこうしてGoogleフォームを使うことで瞬時に採点でき、しかもデータが残るというのが大きいですね。
そのデータをもとに、間違えた子が多かった問題を重点的に解説していました。

このようにして従来のやり方の場合と比較して見ていると、Chromebookを使った進め方の特性がよく見えてきます。

また、子どもたちが小テストをしている間、先生は次の準備を進めていました。
このあたりの時間の作り方も絶妙です。

動画の活用

次は動画を使った課題にチャレンジ。
アオムシが成虫になるまでの動画を見て、プリントの問題に答えを書き込むというものです。

子どもたちは、自分のパソコンで流れる動画を見ながら、見逃したところをもう一度見たりなど、自分のペースで進めている様子がよく分かりました。

教室に1台のモニターで動画を見る従来のやり方だと、一度見ただけで終わってしまい、見逃したところをもう一度というのはなかなか難しいところです。

また誰か操作が分からなくなった子がいたとき、近くの席の子どもが教え合ったりする様子も見られました。
ああ、この様子はすごくいいですね!

meetの活用

答え合わせにはmeetを使っていました。

プリントと同じドキュメントを表示するのに、モニターでは字が小さくなってしまうということで、meetの画面共有を使おうということでした。

クラスは全部で23人の子どもがいましたが、全員が同時にmeetにアクセスしようとするとやはりwifiの通信環境に負荷がかかるようです。
数人は接続待ちの状況が数分続きました。
ここでの改善策として、不要になったタブを閉じておくと多少負荷が軽くなるということが分かりました。

meetの画面共有機能を使った答え合わせの場面では、子どもがピンチアウトで画面を拡大する方法を発見し、先生に教える場面も。
やはり今は家庭でもタブレットに触れて操作に慣れているという子も多いようです。
先生も一方的に教えるというより、子どもたちからも教えてもらうという姿勢が大事になりそうですね。

今後に向けて

今回の授業見学では、子どもたちが教室に集まっている場面で、従来型の一斉授業でのChromebookの活用方法の一例を目にすることができました。
そこでは、一斉授業とはいいつつも、Chromebookを使えば個人の学習スピードにあった進め方を取り入れることができることがわかりました。

一方、Chromebookが整備されただけでは、すぐに授業に活用できるわけではないということもよく分かりました。
classroomの設定やGoogleフォームの作成、動画の準備はもちろんのこと、ローマ字に不慣れな学年の子どもたちのために、ローマ字表を自作するなどの工夫が見られました。

このあたりはやはり教員の知識やスキルによるところも大きく関わってきそうです。

また、Chromebookの活用をより一層進めるには、学校や教育委員会による環境づくりも大事だと感じました。
玉川小学校では、校長先生を筆頭に、「どんどん使っていこう」が合言葉になっているようです。
こうしたチャレンジに寛容な環境が、先生方の明るく前向きな姿勢をつくりだしているのではないかと思います。

校長先生も自ら先生方をバックアップ

ときがわ町でのChromebook活用はまだ始まったばかりです。
ICT支援員として、少しでも教員の皆さまの負担を軽減し、より良い学びの環境づくりをお手伝いできるよう、比企つづき努めていきたいと思います。

玉川小学校の皆さま、ありがとうございました!

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この記事を書いた人

埼玉県草加市出身、坂戸市在住。2児の父。越谷市役所に14年間勤務し、農業や商工業、伝統工芸振興、企業誘致などに携わり、多くの新規事業を手がける。比企起業塾第2期生。2020年3月起業。埼玉県比企郡を中心に、行政や中小企業のお助けマンとして、官民連携、新規事業開発、地域教育、関係人口づくりなどに取り組む。地域プロジェクトコーディネーター。共著に『地域でしごと まちづくり試論』(2021年2月発行)

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