ときがわホースケアガーデンさんの「馬講座」(2022年7月5日)

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ときがわホースケアガーデンにて「馬講座」を受講しました

2022年7月5日(火)、ときがわ町にあるときがわホースケアガーデンさんにて「馬講座」を受講しました。

メンバーはカメラマンのあやこちゃんと、ときがわ社中の栗原、風間の3名。

目的は、馬について基本的なことを知るとともに、企業向けの研修素材などの馬の可能性を体験するためです。

初めてということで、一番基本的な馬との接し方引き馬を学ぶことになりました。

以下、体験したときに感じたことなどを書き留めておきます。

馬との接し方

馬に近づく

まずは馬との接し方から。

接し方というと大げさかもしれませんが、要はどうやって馬に近づくかということ。

相手をしてくれたのはミイナちゃん。
小型の雑種で、人間に慣れているため初心者には助かります。

前提として馬はとても臆病な動物。
いきなり近づこうとすると警戒してしまいます。

また、馬の目は顔の正面ではなく、両側についているため、正面から近づこうとしても警戒されてしまいます。

ちなみにあまり視力はよくない代わりに視野は広いそうで、真後ろの10度くらいが死角になるといいます。
馬の後ろに回ると蹴られるのは、見えない死角から襲ってくる敵だと認知されるためなんだそうです。(そりゃそうだ)

そのためまずは馬の前方の斜め方向からゆっくりと近づきます。
そうすると馬の片目の視界に入ります。
そうすることで馬はもう片方の目で逃げ場を確認することができます。
この逃げ場を用意しておいてあげるということが大事なんだそうです。

そして腕をゆっくり鼻先に近づけ、馬の方から近寄ってくるのを待ちます。
馬が寄って来て匂いを嗅ぐようなしぐさを見せました。

これで「危険ではない」と判断され、匂いを憶えてもらうことができました。

馬という生き物

馬に慣れたら(慣れてもらったら)、動物としての馬の特徴について学びます。

先ほど、馬はとても臆病な動物であると書きました。

馬は臆病で同時に、動物としてはあまり強くない種なんだそうです。

その理由は体の構造にあります。

馬は草食動物であるため、腸が長いことがまず第一の特徴です。
人間の腸の長さは7~9mで体長の5倍程度であるのに対して、馬の腸は30mほどもあり、体長の12倍にもなるそうです。
(同じ草食動物である牛は25倍もあるんだとか)

ちなみに馬の死因で最も多いのは腸関係の疾患やトラブルなんだとか。
それほど腸は馬にとって重要な器官なんですね。

この長くて重い腸を支えるために、馬の背骨は丈夫で太く発達しています。
そのためネコ科の動物のように、背骨ごと体をくねらせて走ることはできず、足を長くすることで肉食動物から逃げる方向に進化してきました。

それでもネコ科ほど早くは走れなかったため、基本的にはそんなに強くはない動物なのです。

ではなぜ馬という種がこれまで生存してこられたのかというと、「人と共に生きてきたから」であると言われています。

人間が乗っても支えられる太い背骨、口の側面に歯がない部分があり、そこにハミをつけることができること。
つまり馬は人間が利用する上で、非常に都合の良い性質が備わっている動物であるということです。

「馬は人間がいなかったら滅びていたのではないか」といっている専門家もいるんだそうです。

今でこそ馬というと競馬や乗馬で使われるのが一般的なイメージですが、確かに歴史を振り返ってみると、かつては農耕馬として利用されていたり、騎馬として戦に使われていたり、馬車として運搬用に使われたりしていました。
また伝統的な建築物の一つである曲がり屋のように、母屋と馬屋が一体になっているような建物もあります。

「人馬一体」という言葉もあるように、馬と人は古くから非常に密接に関わってきたんですね。

馬の足

次に学んだのは、馬の足のこと。

私たちが通常「蹄(ひづめ)」と呼んでいる部分、実はこれは中指の爪にあたるんだそうです。

足を上げて見せてもらうと、蹄に囲まれて手のひらの部分(肉球)があり、蹄に比べると若干柔らかさが残っています。
足の両側には人差し指と薬指が退化した痕跡があり、かなり上の方に角質のようになっている親指の跡も残っていました。

つまり馬は中指一本で立っている状態なんですね。

牛や豚のように偶p数本の蹄がある偶蹄類(ぐうているい)に対して、蹄が一本しかない馬は奇蹄類(きているい)といいます。
ちなみに蹄を持つ動物のなかで奇蹄類は1~2割ほどしかいないんだそうです。

「ポニー」とは

もう一つここで印象的だったのは、「ポニー」のこと。

ポニーという品種の馬がいるのかと思ったら、実はポニーは品種の名前ではないのだそうです。

ポニーというのは体の小さい種類の馬の総称で、「肩までの高さが147cm以下の成獣の馬」というのが正式な定義だということでした。

やはり学んでみないと分からないものですねー。

引き馬

後半は引き馬。

これまで猫しか飼ったことがなかったので、リードをつけた動物との接し方がまったく分からず。
油断するとすぐに草を食べようとするミイナに、なんとか歩いてもらわないと。

これが難しい。

足元も平らではなく、木などの障害物や凸凹もあったりするので、自分の足元を見ながら進路を決め、ミイナをリードしないといけません。
この「リード」するという意識が非常に重要だと感じました。

馬を強引に引っ張って力ずくでやらせてもダメだし、かといって馬の好きなように歩かせて自分が引っ張られるのでもダメ。

自分がリーダーであるという態度で、進路を決め、そこに導いてやる。
そういう気持ちを伝えてやる、どこを歩けばいいのかを導いてあげることが大事。

・・・と、言葉では分かっても、なかなかうまくいきません。

私のおっかなびっくりが伝わったのでしょう、すぐに草を食べられてしまいます。
どうしても頭が下がってしまうので、リードを持つ手に力が入ってしまいます。

腰痛で明らかに集中力が欠けていたのも見透されていたかのようです。

それでもうまくいったときにはミイナが横についてスッスッと歩いてくれた瞬間もあり、そのときは「おおー、これか!」とすごく気持ちよかったです!

でもそれでいい気になっていると、馬に見透かされてまた草を食べられる笑

その点、栗原さんはさすがでした!

馬との距離、進路、リード、停止まで完璧で、始動してくれた詠介さんも「すばらしい!」と賛辞を贈っていました。

「物理的に力で馬にいうことを聞かせるのではなく、リードしているという気持ちを伝えることが大事。気持ちが伝われば力はいらない。むしろ力でいうことを聞かせようとしても聞かない。反発を招くだけ。それは人間も一緒。」と詠介さん。

本当にそうですね!

先輩・後輩、上司・部下の関係にも同じことがいえます。

馬との距離感や関係を学ぶことで、人との接し方について気づき、学ぶことができる。

そんな可能性を感じます。

まずは自分がどうしたいかはっきりとした意思を持ち、それを伝えること。
自分がブレていると相手にも伝わり、不安がらせてしまいます。

そして相手のコミュニケ―ションで意思疎通や信頼関係の構築を図ること。
それが大切ですね。

馬講座、すばらしい学びがたくさんありました!
なによりおもしろいです!

お付き合いいただいた詠介さん、ミイナ、ありがとうございました!

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この記事を書いた人

埼玉県草加市出身、坂戸市在住。2児の父。越谷市役所に14年間勤務し、農業や商工業、伝統工芸振興、企業誘致などに携わり、多くの新規事業を手がける。比企起業塾第2期生。2020年3月起業。埼玉県比企郡を中心に、行政や中小企業のお助けマンとして、官民連携、新規事業開発、地域教育、関係人口づくりなどに取り組む。地域プロジェクトコーディネーター。共著に『地域でしごと まちづくり試論』(2021年2月発行)

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