「松岡醸造株式会社」様(小川町)の撮影を行いました(2023年5月24日)

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こんにちは!
ときがわ社中の風間です。

2022年度に続き、比企地域元気アップ実行委員会様からの委託事業「ふるさと比企で高校生と企業をつなぐ縁結び事業」2023年度版がスタートしました!

地元高校生を対象として、比企地域+1自治体の計9市町村( 東松山市、小川町、吉見町、嵐山町、滑川町、ときがわ町、川島町、鳩山町、東秩父村)の企業様27社の紹介動画を撮影しています。

2023年5月24日(水)、埼玉県小川町にある「松岡醸造株式会社」様にお邪魔して、動画撮影を行いました。

撮影の様子を差しさわりのない範囲で公開しています。

基本情報

会社名:松岡醸造株式会社
事業内容:帝松大吟醸、吟醸「社長の酒」、帝松純米酒、などの清酒、ほか酒類の製造、販売
従業員数:19人(男女比 1:1)
創業:1851年(嘉永4年

※2023年5月23日時点

目次

代表者インタビュー

専務取締役の松岡さんにお話を伺いました。

―― 御社の事業内容を教えてください。

 主に日本酒の製造、およびリキュールなどを製造している会社です。毎年2月に開催する酒蔵祭りでは地域と連携し、多くのお客様に足を運んでいただいております。

―― 嘉永4年(1851年)創業ということで、創業者の方が越後の方からいらしたとお聞きしました。

 はい、酒蔵ごと小川町に移ってきたと聞いております。

―― その理由としてはどんなことがあったと考えられるでしょうか?

 小川町は酒造りに最適な地であったからだと思います。
 新潟といえばお米が有名ですが、お米は持ってこられるとしても水だけは変えられません。その水が、小川町はすばらしいんです。
 秩父連山に端を発する水なのですが、カルシウム分が豊富なのにマグネシウムが少なく、日本有数の硬水にもかかわらず、やわらないという特徴を持っています。この水が酒造りに最適でした。当社では地下130mから地下水を汲み上げ、酒造りに使用しています。

―― 埼玉県は都市部のイメージがあるので、水がいいというと意外に思われる方もいるかもしれませんね。

 小川町をはじめ、比企地域には豊かな自然が残されていて、環境はすごくいいです。当然、そこでつくられるお米もいいものが穫れます。
 また、小川町は和紙や養蚕などが栄えた町でもあります。人の往来も多く、商人の町でした。そのため商人たちが飲むための酒をつくるために、いくつもの酒蔵がつくられたんです。

―― 酒づくりに必要な水、米、人の3つの要素がすべてそろっていたんですね! 御社では独自に酒蔵まつりのようなイベントも開催されていますが、今後どのような企業への発展を目指されているのでしょうか?

 より地域に根付き、その製品を今以上に国内外に広め、地域の方、お客様のみならず自社のスタッフが誇れる商品作りができる会社を目指しています。
 酒蔵まつりもその一環で開催しています。酒蔵というと敷居が高いイメージがありますので、それを取り払って、自社に限らず酒蔵に親しみを持っていただきたいと思い、始めました。おかげさまで多くのお客様に来ていただけるようになりました。
 また、海外では日本酒の人気が高まっており、輸出にも力を入れていきたいです。

―― 現在も輸出はされているんでしょうか?

 はい、香港やスウェーデンなど、7か国に輸出しています。

―― いつ頃から、どんなきっかけで始まったんですか?

 輸出に取り組み始めたのは2016年頃からです。和食の世界無形文化遺産登録やインバウンド消費の高まりが大きかったのではないかと考えています。
 小川町には和紙という産業もありますので、海外からのお客様も訪れていただけるようになりました。

―― 先ほど「お客様のみならず自社のスタッフが誇れる商品作り」という言葉もありました。求める人材像についてお聞かせいただけますか?

 お客様はもちろん、仲間に対しても思いやりの心を持てる方を希望します。お酒をつくる工程だけでなく、瓶詰、出荷もすべてひっくるめて商品づくりだと思っていますので、飲み手であるお客様のことを思い浮かべながら、すべての面において気配りのある商品づくりをしていただきたいと考えています。

―― 入社いただいた後、どんな社員に育ってもらいたいと思いますか?

 当社のモットーは「温故知新」です。先人に学び敬意を払いつつも、自分の目指す指針を決め、積極的にチャレンジをできるようになってもらいたいと考えています。
 失敗は絶対ありますので、それを怖がるのではなく、どんどんチャレンジしてもらいたい。そのためにも社員の方の自主性を尊重しています。

―― 最後に高校生の方、これから就職先を選ぼうとされている方に向けたメッセージをお願いします。

 失敗を恐れず、トライする気持ちを持ち続けてください。そのためにも自己研鑽が非常に大事です。チャレンジ精神をお持ちの方はぜひ当社に飛び込んできてください!

―― ありがとうございました! 

若手社員インタビュー

入社8年目で課長のSさんにお話を伺いました。

―― 御社への入社を決めたきっかけ・理由を教えていただけますか?

 私は高校を卒業して、2度転職しています。小川町に地元が近く、父がよく当社のお酒を買ってきてくれたので、日頃から日本酒を好んで飲んでいたのですが、日本酒への興味を持ち始めたのがきっかけです。そのきっかけとなったお酒が、弊社の「社長の酒」でした。
 他の日本酒をもっと飲んでみたいと思う気持ちが強くなったのが、入社を決めた理由です。

―― お酒をつくりたいというより、飲みたい気持ちの方が強かったんですね。

 はい、もちろん酒蔵なので酒造りにも興味がありましたが、それよりもどこで販売できるかという営業という仕事に興味を持ちました。

―― そうなんですね。普段はどのようなお仕事をされているんでしょうか?

 製品管理や出荷、発注といった業務を主に行っています。また、ルート営業も担当しています。

―― 仕事をしていてやりがいや嬉しいと感じるのはどんなときでしょうか?

 やはり酒造りの会社ですので、接客の時などにお客様から「いつも飲んでいるよ」とか「帝松さんのお酒はおいしいよ」と笑顔で声をかけていただけると嬉しいです。弊社はよくメディアに取り上げられることもありますので、そうしたときにはとても反響があり、多くの友人や家族、お客様にも声をかけていただくことが嬉しいです。

―― 逆に仕事をしていて大変だなと感じることはどんなことでしょうか?

 メディアなどで取り上げられますと、国内のみならず海外からも反響をいただくことがあります。そのようなときに特定の銘柄に大量の発注が集中してしまい、在庫が足りなくなることもあります。そのようなときには生産計画なども練りなおしが必要なことがあり、調整が大変ですね。

―― それは大変ですね。酒造りは発酵期間があるので、すぐ造ってというわけにもいきませんもんね。では最後に高校生や就職先を考えている方に向けたメッセージをお願いします。

 私もこれまで2回転職してきましたが、興味のある事に深く関心を持つことが大事だと思います。最初は小さなことでも興味を持って学んでいくうちに自分の道が開けることがあります。そうした小さな興味を大事にしていただければと思います。

―― ありがとうございました!

仕事の様子

とにかく楽しそうに仕事をする松岡専務の姿が印象的でした。

「自分が酒をつくるのも、飲むのも大好き」

世界で当社だけという赤ワイン酵母を使った日本酒や米を磨かないで仕込んだ日本酒など、日々試行錯誤を試しながらお酒造りをしているそうです。

思考は飲み手本位、行動は自分本位で。
失敗ももちろんあるけれど、好きだから続けられる、チャレンジできるんだと思いました。

そしてなんとこの日の撮影中に、年に1度行われる全国新酒鑑評会で、当社の大吟醸酒が金賞を受賞したとの朗報が飛び込んできました!

Sさんのインタビュー中に上気した顔で飛び込んできた松岡専務の喜びの顔が忘れられません。

当社では直売所も運営。こちらで当社のお酒を試飲することもできます。

普段のとおりに実演いただきました。こちらでも松岡専務が楽しそう。

撮影終了後には、酒蔵併設のレストラン「松風庵」へ。
こちらで使う水も、すべて地下130mから汲み上げた水を使用しているそうです。

ふるさと比企で高校生と企業をつなぐ縁結び事業とは

「ふるさと比企で高校生と企業をつなぐ縁結び事業」とは、卒業後に就職を希望する地元の高校生と地域企業のマッチングを促すことを目的とする事業で、2022年度に始まりました。

「地元には良い企業はあるのに知られていない」
「よく会社のことを知らないまま入社して、こんなはずじゃなかったと早期に退職してしまう人が多い」

こうした課題を解決するために、比企地域+1自治体の計9自治体(東松山市、小川町、吉見町、嵐山町、滑川町、ときがわ町、川島町、鳩山町、東秩父村)からなる比企地域元気アップ実行委員会様が企画しました。

9自治体から条件にあった企業をそれぞれ3社をピックアップし、就職を希望する高校生向けに最大27社分のPR動画(1社あたり約5分)を制作します。

制作した動画は比企地域元気アップ委員会のYouTubeチャンネルで公開するほか、対象企業様のHPなどでご活用いただく予定です。

公開は2023年7月を予定。

※2022年度事業につきましては、こちらのページをご覧ください。

2023年度対象企業様一覧(撮影が終了した企業様を記載しています)

東松山市
高橋精機株式会社 様
株式会社 木屋製作所 様
伊田テクノス株式会社 様

小川町
・松岡醸造株式会社 様

滑川町
森林公園観光株式会社 様
株式会社 滑川環境保全 様
社会福祉法人 滑川珠美園 様

ときがわ町
みはし株式会社 様

川島町

吉見町

鳩山町

嵐山町

東秩父村
秩父鉱業株式会社 様

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この記事を書いた人

埼玉県草加市出身、坂戸市在住。2児の父。越谷市役所に14年間勤務し、農業や商工業、伝統工芸振興、企業誘致などに携わり、多くの新規事業を手がける。比企起業塾第2期生。2020年3月起業。埼玉県比企郡を中心に、行政や中小企業のお助けマンとして、官民連携、新規事業開発、地域教育、関係人口づくりなどに取り組む。地域プロジェクトコーディネーター。共著に『地域でしごと まちづくり試論』(2021年2月発行)

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