比企光学株式会社様(小川町)の取材・撮影を行いました(2022年5月26日)【ふるさと比企で高校生と企業をつなぐ縁結び事業⑮】

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4月26日にスタートした、比企地域元気アップ委員会様の「ふるさと比企で高校生と企業をつなぐ縁結び事業」による地域企業PR動画制作。

地元高校生を対象に、比企地域9市町村( 東松山市、小川町、吉見町、嵐山町、滑川町、ときがわ町、川島町、鳩山町、東秩父村)の地域企業様最大27社の動画を撮影しています。

5月26日(木)午前は小川町、午後は嵐山町にお邪魔しました。

この日は以下の2社様の撮影を行いました。

比企光学株式会社 様(小川町) ⇒ 今回の記事はこちら
②株式会社 秋葉製作所 様(嵐山町) 

撮影はあやこちゃん。(ありがとうございます!)

目次

比企光学株式会社様(小川町)

比企光学株式会社様は、関連会社である秩父市の比企オプティクスとともに「比企オプトグループ」として、光学レンズ素材の製造を手がけている会社です。

一眼レフカメラや防犯用の監視カメラ、映画館のプロジェクターなどに使われる中~大型のレンズをはじめ、直径300mmの超大型レンズの製造も行っています。

1971年に小川町で創業し、昨年50周年を迎えましたが、決して順風満帆だったわけではなく、2008年頃のリーマンショック期には週に3日はまったく仕事がなく工場が稼働しないという窮地も経験したそうです。

このままではいけないとさまざまな試行錯誤を行う中で、2010年に新たに金属切削加工事業を立ち上げ、さらに2017年にはIoT機器の開発、2019年にはAI検査装置の開発など、新たな事業展開を図ってきました。

その一方で、単なる自動化ではなく、人と共に働く「協働ロボット」を比企オプティクス工場で導入したり、比企オプトグループのロゴをあしらった揃いのトレーナーをデザインから自社で制作するなど、遊び心の感じられる「製造業っぽくない会社」を目指しているそうです。

確かに自社ホームページでも、「金魚マイスター」である社員の活動を紹介するなど、製造業っぽくない遊び心が感じられます。

代表者インタビュー

代表取締役の栁瀬社長にお話を伺いました。

会社の経営理念は「自ら考え自ら行動し自ら成長する」

そのためには多くのチャレンジが必要ですが、当然そこには多くの失敗がつきものです。
でも失敗を恐れるのではなく、むしろその失敗をたくさん集めることが社員の成長につながり、会社の発展につながるという信念を持っているのだそうです。

求める人材像は2つ。
挨拶ができることと、常に前向きであること。

工業高校などで予め技術を持っている必要はないといいます。
むしろ知識や技術は入社してからでもいくらでも身につけられるので、基本的な人間性に重きを置いています。

いかなる仕事でも一人で完結する仕事はなく、また一人で生きることはできません。
誰かと共に仕事をしたり、社会で生きていくために、挨拶という基本ができてさえいればどうにでもなるといいます。

高校生へのメッセージ
「これまでさまざまなチャレンジを続けてきましたが、それらがようやく実を結びつつあります。自分たちの満足だけにとどまらず、お客さまはもちろん、埼玉県や国からも高く評価されています。興味を持っていただけましたら、ぜひ当社にお越しください。」

栁瀬社長、ありがとうございました!

社員インタビュー

入社7年目のIさんにお話を伺いました。

Iさんは高校卒業後に県内にある工業大学に進学し、卒業後に入社しました。
もともと機械加工に興味があったことに加え、当社を訪れたときに社長の人柄に惹かれ入社を決めたといいます。

現在はコネクタ部品などの金属切削加工など機械加工に関する業務全般を担っています。

仕事にトラブルや課題はつきものですが、お客さまからの要求に応えること、特に納期は絶対なので、仕事や設備の調整や段取りを整えながら、トラブルや課題を乗り越え、仕事をやり遂げたときには安堵と達成感を感じるそうです。

高校生へのメッセージ
「学生の時とは違って、仕事となると責任感も必要でいろいろと大変なこともあります。それでも粘り強く取り組むことを大切にしてほしいと思います。がんばってください。」

Iさん、ありがとうございました!

社内の様子、商品撮り

レンズの加工工程は、原料となるガラス板をカットすることから始まります。

カットといっても実際は、曲尺をあてて一気にカッターで線を引き、裏返してハンマーで叩いて「割る」という感じ。

それを今度はカットされたピースをベルトで流し、その重さに応じて分類していきます。
これはもともとのガラス材の性質が均一ではないため、次のプレス工程にかけて均一のレンズの素材に仕立てるために、プレスの掛け方をガラスの性質によって調整するのに、ここで重さで分類しておく必要があるのだそうです。

次はプレス工程。

これがおもしろい!

「お皿」と呼ばれる焼き物の台にガラスのピースをのせ、加熱して柔らかくし、金型で一つ一つプレスしました。
こうやってレンズのもととなる素材がつくられているんですね!

まさか一つ一つ人間がプレスしているとは想像もしませんでした。

プレスする際の加熱時間や力の加減が技術のいるところらしく、経験が必要なんだそうです。
機械化することも難しいため、後継者の育成が喫緊の課題とのことでした。

当社ではこの工程で用いる金型も自作しているといいます。
外注するとコストが高くつくこともありますが、何よりもすぐ手に入る・調整もすぐできるというのが大きいそうです。

こちらも一人の職人さんが一手に担っており、後継者の育成が課題だそうです。

そのほか、近年、手がけはじめた機械加工も見学させていただきました。
日々、お客さまとコミュニケーションする中で困りごとや要望をキャッチし、新たな事業につなげているそうです。

この顧客主体の姿勢がすばらしいですね!

また、製造風景以外のところで印象的だったのは、社員さん同士の関係性。

社員20名ほどの会社ですが、少人数だからこそのアットホームな雰囲気が感じられました。
仕事の合間の小休憩の時間には、工場の外のベンチに社員が集まり、談笑するシーンも。

「撮影に合わせて着てもらった」という比企オプトグループのロゴ入りトレーナーがステキでした!

比企光学株式会社の皆さま、ありがとうございました!

ふるさと比企で高校生と企業をつなぐ縁結び事業とは

「ふるさと比企で高校生と企業をつなぐ縁結び事業」とは、卒業後に就職を希望する地元の高校生と地域企業のマッチングを促すことを目的とする事業です。

「地元には良い企業はあるのに知られていない」
「よく会社のことを知らないまま入社して、こんなはずじゃなかったと早期に退職してしまう人が多い」

こうした課題を解決するために、比企地域の9自治体(東松山市、小川町、吉見町、嵐山町、滑川町、ときがわ町、川島町、鳩山町、東秩父村)からなる比企地域元気アップ委員会様の令和4年度の新規事業としてスタートしました。

今年度は実験的に、9自治体から条件にあった企業をそれぞれ3社をピックアップし、就職を希望する高校生向けに最大27社分のPR動画(1本あたり約4分)を制作します。

制作した動画は比企地域元気アップ委員会のYouTubeチャンネルで公開するほか、対象企業様のHPなどでご活用いただく予定です。

公開は2022年7月頃を予定。

撮影した企業様一覧

以下から撮影の様子をご覧いただけます。

動画はまだ公開されていません。
公開されましたら改めてご案内させていただきます。

【東松山市】
梅田真空包装株式会社様
関口産業株式会社様
株式会社 大村製作所
株式会社トーコー

【川島町】
笛木醬油株式会社様
ベジプロフーズ株式会社様
幸立化成工業株式会社

【小川町】
セキネシール工業株式会社様
株式会社 多久製作所
比企光学株式会社

【東秩父村】
株式会社 小島光学製作所 様
秩父技研工業株式会社 様

【吉見町】
千葉金属工業株式会社 様
有限会社 杉山樹脂工業 様
有限会社 アジア工研 様

【嵐山町】
株式会社 秋葉製作所 様

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この記事を書いた人

埼玉県草加市出身、坂戸市在住。2児の父。越谷市役所に14年間勤務し、農業や商工業、伝統工芸振興、企業誘致などに携わり、多くの新規事業を手がける。比企起業塾第2期生。2020年3月起業。埼玉県比企郡を中心に、行政や中小企業のお助けマンとして、官民連携、新規事業開発、地域教育、関係人口づくりなどに取り組む。地域プロジェクトコーディネーター。共著に『地域でしごと まちづくり試論』(2021年2月発行)

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