4月26日にスタートした、比企地域元気アップ委員会様の「ふるさと比企で高校生と企業をつなぐ縁結び事業」による地域企業PR動画制作。
地元高校生を対象に、比企地域9市町村( 東松山市、小川町、吉見町、嵐山町、滑川町、ときがわ町、川島町、鳩山町、東秩父村)の地域企業様最大27社の動画を撮影しています。
5月31日(火)は嵐山町にお邪魔し、以下1社の撮影を行いました。
①島野精機株式会社 様
この日の撮影はあやこちゃん。(ありがとうございます!)
株式会社 長沢製作所様(嵐山町)
株式会社 長沢製作所様は、ドアノブ、レバーハンドル、ドア鍵の製造メーカーです。
1916年に川越市で箪笥金具製造メーカーとして操業を開始しました。
創業100年を超える老舗企業です。
現在の主力商品は、「キーレックス」というブランドで知られるオールメカニカル(電気不要で作動する)なドアロック、唐草文様がアンティークな雰囲気を持つ「古代シリーズ」や猫や犬のしっぽをモチーフにした「わんにゃんシリーズ」などのレバーハンドル、他社からのOEMがそれぞれ3分の1ずつとなっています。
特徴としては、製品のパーツの鋳造から塗装やメッキなどの表面処理までの自社一貫生産が可能なこと。
近年は防犯やセキュリティへのニーズが高まっているといいますが、こうしたお客さまのニーズに応えることはもちろん、人の暮らしの身近にあるものとして長くされる製品づくりを目指しているそうです。
東京・大阪の営業所を含めた全社員数は105名。
このうち半数以上の55名が女性というのも一つの特徴です。
代表者インタビュー
執行役員の松本部長にお話を伺いました。
「たくさん売れなくてもいい。いい仲間と、地道だけど足腰の強い全員参加の企業を目指してきました。そうして地道に取り組んできた結果、お客さまの信頼につながり、100年続く会社としてやってこられたのだと思います」
100年以上続く企業だけに、その言葉には厚みがあります。
「地道だけど足腰の強い全員参加の会社」とはすばらしい言葉ですね!
その中で会社の一番の財産は「人」であるとの言葉が印象的です。
入社したばかりの若い人ができない・分からないのは当たり前で、それでいいといいます。
重要なのは、それを前提としてチャレンジすること、「自分はこう思う」と伝える勇気だと松本さんは語ってくれました。
「社会人というのは『世の中の役に立つ人』のことであり、社会人になってもらうためにチャレンジできる環境を用意したり、適材適所を見いだしたりするのが会社の役目です。」
そのための取組として、長沢製作所では定期的な面談制度や改善提案制度を導入し、積極的に若手の意見や相談を受ける体制を整えています。
提案されたアイデアについては評価が行なわれ、優秀者には年間表彰なども行われているそうです。
「ぜひ『おもしろい!』と先輩を驚かしてほしい」
と高校生だけでなく、若手社員の方に向けた力強いメッセージもいただきました。
高校生へのメッセージ
「みんなで考えて、つくって、売る総合力が当社のウリです。これまで引き継いできた世代のバトンを引き継ぐのが私たちの役割だと思っています。自信があってもなくても大丈夫。『継続は力なり』で最後までやり抜くことが大切です。肩の力を抜いてみて、興味を持っていただいたら当社のことも考えていただけると嬉しいです。」
松本部長、ありがとうございました!
社員インタビュー
入社9年目のTさん(男性)と20年目のYさん(女性)にお話を伺いました。
●Tさん
幼いころからものづくりに興味があり、大学では化学を専攻していました。
特にメッキに興味があったそうで、学んだことを活かしたいと入社されました。
希望が叶い、現在はメッキ部門を担っています。
会社の方針で、技術向上のために2年間メッキ学校で学んでいたこともあり、そこではなんと50名以上の同期の中で「主席」という成績を残したそうです。
メッキのことを語る時、Tさんの目がキラキラとして表情もイキイキしていたのが印象的です。
本当にこの仕事が好きなんだなあと感じました。
(後で聞いたらその場にいた嵐山町役場や商工会の方も同じことを感じたそうです)
メッキはいろんな環境条件に出来上がりが左右されてしまうそうですが、それらをうまく調整できたときに喜びを感じるといいます。
反面、メッキに使う薬品類には危険なものが多いため、管理には十分注意が必要なんだそうです。
高校生へのメッセージ
「今は変化の時代です。変化に敏感になりつつ、自分のそれまでの経験を振り返ってみて、自分が何ができるかを考えてみると、変えなければいけないことがあることも分かってくるかと思います。ぜひ変化にびんかんであってほしい。当社では改善提案制度があり、新入社員でも提案が可能です。慣れてしまうと気づかないこともあるので、『なぜ?』という疑問をぶつけてもらえるとありがたいです。そうしたことも含めてチャレンジできる環境がある会社だと思います。」
●Yさん
滑川町生まれ、滑川町在住のYさん。
それを聞いた時、嵐山町役場のNさんの顔が思わずほころんでいました。
Yさんが入社したのは約20年前。
最初は2ヵ月の短期アルバイトとして勤務していたそうです。
当時はほかにもアルバイトを掛け持ちしていましたが、社長から直々に「残ってほしい」と声をかけられ、正社員として迎え入れられることになりました。
決め手としては、人間関係が非常に良かったこと。
Yさんのほかにも、一緒にアルバイトとして来た方が、そのまま正社員になったという方もいるそうです。
現在は生産管理と組立の仕事をしています。
在庫目標を達成するときは「やった」と快感を覚える反面、最近では新型コロナウイルスや世界情勢の影響から、価格調整面での苦労があると語ってくれました。
高校生へのメッセージ
「新型コロナウイルスなど、今までにない状況で非常に苦労されているかと思います。それに負けないで頑張ってほしいです。」
Tさん、Yさん、ありがとうございました!
社内の様子、商品撮り
主な工程は5つ。
①鋳造、②研磨、③表面処理・塗装、④仕上げ研磨、⑤組立
Tさんのいる表面処理は残念ながらこの日の作業は終了してしまっていましたが、それ以外の工程をご案内いただきました。
鋳造からパーツを切り取って研磨して、塗装して、組み立てる。
これはまさにプラモデルをパーツからつくるようなもの。
私も子どものころプラモデルが好きだったので、この工程は興味深いですね!
特に目についたのは、社員の半数以上が女性と聞いたとおり、女性の姿が多く見られたことです。
数字上は約半数ですが、見学させていただいた現場だけでいうと7割くらいいたように感じました。
同じ作業をしている男性と女性を比べると、女性の方の方がキビキビと作業していたような気がしました。
こうしたことからも女性が活躍している会社であるということがうかがえました。
私たちも毎日のようにドアノブやレバーを触っているわけですが、当たり前ですが、これらをつくっている会社があるということなんですね。
私たちのごく身近にあるものをつくっているのに、そうした企業が身近な地域にあることは案外知られていないのではないかと思います。
そういう会社があることを知ってもらうことは、高校生だけでなく、地域のすべての人にとって重要なことだと思います。
ぜひこうした機会に地域にどういう会社があるのか、どういう仕事をしているのかということをお伝えしていきたいですね!
株式会社 長沢製作所の皆さま、ありがとうございました!
ふるさと比企で高校生と企業をつなぐ縁結び事業とは
「ふるさと比企で高校生と企業をつなぐ縁結び事業」とは、卒業後に就職を希望する地元の高校生と地域企業のマッチングを促すことを目的とする事業です。
「地元には良い企業はあるのに知られていない」
「よく会社のことを知らないまま入社して、こんなはずじゃなかったと早期に退職してしまう人が多い」
こうした課題を解決するために、比企地域の9自治体(東松山市、小川町、吉見町、嵐山町、滑川町、ときがわ町、川島町、鳩山町、東秩父村)からなる比企地域元気アップ委員会様の令和4年度の新規事業としてスタートしました。
今年度は実験的に、9自治体から条件にあった企業をそれぞれ3社をピックアップし、就職を希望する高校生向けに最大27社分のPR動画(1本あたり約4分)を制作します。
制作した動画は比企地域元気アップ委員会のYouTubeチャンネルで公開するほか、対象企業様のHPなどでご活用いただく予定です。
公開は2022年7月頃を予定。
撮影した企業様一覧
以下から撮影の様子をご覧いただけます。
動画はまだ公開されていません。
公開されましたら改めてご案内させていただきます。
【東松山市】
・梅田真空包装株式会社様
・関口産業株式会社様
・株式会社 大村製作所 様
・株式会社トーコー 様
【川島町】
・笛木醬油株式会社様
・ベジプロフーズ株式会社様
・幸立化成工業株式会社様
【小川町】
・セキネシール工業株式会社様
・株式会社 多久製作所 様
・比企光学株式会社 様
【東秩父村】
・株式会社 小島光学製作所 様
・秩父技研工業株式会社 様
【吉見町】
・千葉金属工業株式会社 様
・有限会社 杉山樹脂工業 様
・有限会社 アジア工研 様
【嵐山町】
・株式会社 秋葉製作所 様
・株式会社 長沢製作所 様