こんにちは!
ときがわ社中の風間です。
2022年度に続き、比企地域元気アップ実行委員会様からの委託事業「ふるさと比企で高校生と企業をつなぐ縁結び事業」2023年度版がスタートしました!
地元高校生を対象として、比企地域+1自治体の計9市町村( 東松山市、小川町、吉見町、嵐山町、滑川町、ときがわ町、川島町、鳩山町、東秩父村)の企業様27社の紹介動画を撮影しています。
2023年6月8日(木)、埼玉県嵐山町にある「有限会社ハッピーベル」様のデイサービスしあわせの鐘にお邪魔して、動画撮影を行いました。
撮影の様子を差しさわりのない範囲で公開しています。
基本情報
会社名:有限会社ハッピーベル(しあわせの鐘)
事業内容:介護施設(デイサービス)、飲食店の経営
従業員数:8人(男性2、女性6)
創業:2017年5月
※2023年6月8日時点
代表者インタビュー
取締役兼デイサービスしあわせの鐘施設長の伊藤さんにお話を伺いました。
―― 御社の事業内容を教えてください。
弊社は炭焼ダイニングすず幸とデイサービスしあわせの鐘を運営しております。もともとはカラオケ店を営んでいたのですが、営業外の時間帯に、当時は一般的でなく、制度もなかった「介護予防」ということに取り組み始めました。
元は入所型の介護施設で介護士として働いていたのですが、利用者の方が希望する場所で暮らせるようにするために、入所の状態の前にもっとやれることがあるのではないかという課題を感じていたことがきっかけです。
利用者の方々と関わる中で、やはりニーズが大きく、たくさんの喜びのお声をいただいたので、6年前にデイサービスしあわせの鐘をスタートさせました。
―― 当時は「介護予防」の考え方はなかったんですね。
まったくありませんでした。一応、町役場の福祉担当の窓口にも相談しにいったのですが、制度もなかったので「ご自由にどうぞ」という感じでした。
―― とすると介護予防のパイオニア的な存在なのですね!
そんな大げさなことはありませんが、好きにやっていいならやってしまおうと(笑)
来ていただいた利用者の方と歌を歌ったり、一緒に温泉旅行に行ったりしていましたね。
すごく喜んでいただけたので、やはりそうしたニーズは大きいんだと思いました。
―― 利用者の方々としっかり向き合っていたからこそ、生まれたサービスなんですね。施設ではどのようなことを大切にされているのでしょうか?
「五感を使う」ということを一つのコンセプトにしています。たとえばオープンキッチンにしたのもそれが理由です。キッチンから聞こえる、食べ物を焼く時の音や香り、そうしたもので五感を刺激することが狙いです。
もう一つ大切にしているのが、なるべく利用者の方々が自分で「選ぶ」機会をつくることです。選ぶというのは考える力を使いますので、脳の衰えを防ぐことができます。
当施設では、使うマグカップや食器、おやつのときの飲み物なども自分で選んでいただけるようにしています。
介護って、とにかく利用者の方々お一人おひとりと向き合う「究極の接客業」だと思っています。
―― 「究極の接客業」ですか?
家族でもなく、お客さまにしすぎることもない、適切な距離感でそばにいて、コミュニケーションできる存在という感じでしょうか。
だからこそ利用者の方々の細かなニーズや変化に気づくことができます。たとえば食事のときにはそれぞれの方の状況に合わせて、10g単位で量を調節していますし、おにぎりにすると少し多めに食べられるようになったということがありました。人によっては、利用開始時と比べて、食べる量が倍になった方もいらっしゃいます。
―― 倍はすごいですね!
介護の究極の目標は、「介護を必要とする人がいなくなること」なんですが、一方で介護認定などの基準を満たさなくなって通所できなくなったことを泣いて悲しむ利用者の方がいて、寂しくてもらい泣きしてしまったりして・・・複雑な気持ちです。
―― 今後はどのような会社への発展を目指されているでしょうか?
利用者の皆さんが、最後まで希望する場所で生活できるようにと、6年間デイサービスをやってきましたが、利用者の皆さんやご家族の方々とお話していると、必ずしも自宅での生活だけが最善というわけではないということがわかってきました。
自由に選んでもらいたいけれど、自宅だけだとなかなか厳しく、利用者の方からは普段はここ(しあわせの鐘)で生活して、好きなときに家に帰れるようになるといいというお声もいただいています。
あとはご家族の負担ということもあります。
地域という単位で、好きな場所を自由に選択できる環境という意味で、そういう事業への展開も見据えています。
―― あくまでお客さまが「選べる」という環境を大切にされているんですね。次に今回の動画の目的である求人ということについて、求める人材像についてお聞かせいただけますでしょうか?
とにかく人に興味がある人です。器用じゃなくても構いません。
私は、介護は手から生まれるものだと考えていて、まさに手づくりの世界だと思います。マニュアル化できない世界なんですね。人を見て、その人がやりたいことや考えていることを感じ取るには、人に興味を持っていないとできません。
―― 将来はどんな社員になってもらいたいですか?
介護をあきらめない姿勢を持っていただきたいです。どんな状況になっても、できないからあきらめるのではなく、どうしたらできるかを考えていく必要があります。
介護は一人では絶対できないので、チームとして、人に助けを求められる人、人に手を差し伸べられる人、そういうチャレンジのできる人になってもらいたいと思います。
―― 最後に高校生の方、これから就職先を選ぼうとされている方に向けたメッセージをお願いします。
未経験、無資格でも構いません。当施設では1日体験も受け付けていますので、検討していただいている方、ご興味を持っていただけた方はぜひお越しください。
研修期間もしっかりとって、キャリアップの機会もご用意しています。
―― ありがとうございました!
とにかく起業家精神のお手本のような方で、介護予防への想いや利用者の方々に徹底的に向き合う姿勢を感じました。
コロナ禍には外出もままならない時期もあったそうですが、それを憂うのではなく、そういうときだからこそ、ここでしかできないことをしようと、日本の郷土料理や海外の料理を食事やおやつで提供することを思い付き、実践されていたそうです。
90歳を超えた方から、「こんな食材はじめて食べた!」と喜んでもらえたこともあるとか。
どんな状況でもあきらめない、どうしたらできるのかを考える。
起業家としての姿勢も学ばせていただきました。
若手社員インタビュー
入社5年目のNさんにお話を伺いました。
―― 御社への入社を決めたきっかけ・理由を教えていただけますか?
介護の仕事は未経験でしたが、町の合同就職説明会に参加してお話を聞いたとき、利用者だけでなく、従業員にも一人ひとり向き合って大切にしている会社だと感じたので入社を志望しました。
―― どんなところでそうお感じになったのでしょうか?
本当に自分に合った仕事なのか不安もいっぱいでしたが、面談したときに、自分のペースに合わせた働き方の相談にも乗っていただいたことです。
―― 介護の仕事ははじめてということでしたが、入ってみてイメージに変化はありましたか?
当初は利用者の方のお世話をするというイメージだったのですが、説明会でのお話や入社して働いてみて、その人のことをしっかり考えて、行動を手助けしていくことだと考えるようになりました。
また、一人で仕事をするのではなく、チームプレイで、チームで協力して一緒に1日を過ごすという感覚です。
―― そうなんですねー。普段どのようなお仕事をされているのでしょうか?
朝、送迎されてきてからの1日を一緒に過ごしています。お風呂や食事、おやつの時間、排せつなどの介助やレクリエーションの企画などを行っています。
―― 仕事をしていてやりがいや嬉しいと感じるのはどんなときでしょうか?
やはり利用者さんから直接、感謝の言葉をいただけることです。
食事やおやつのときに「おいしかったよ」ですとか、「あなたがいてくれて良かった」「ここに来られて良かった」とお声をかけていただくことがあります。
―― それは嬉しいですね。他のスタッフの方から、Nさんは「笑顔を引き出す名人」とお聞きしました。何かコツや心掛けていることがあるんでしょうか?
うーん、とにかくその人のことを見て、その人が考えていることややりたいことに気を配るということでしょうか。
―― それが身に沁みついているんですね。逆に仕事をしていて大変だなと感じることはどんなことでしょうか?
一人ひとりのことをしっかり考えなければならないのですが、それでもその人が望むとおりにならないことがどうしても起きてきます。それでもなんとかしないといけないので、それが大変でもあるのですが、そのぶんうまくいったときの喜びややりがいはひとしおです。
―― 最後に高校生や就職先を考えている方に向けたメッセージをお願いします。
私が入社したときは資格もなければ経験もありませんでした。それでも利用者の方々と接したり、周りのスタッフの方に見守られながら、仕事を身につけることができました。もちろん優しいばかりでなく、厳しいときもありますが、愛あるムチだと感じて働ける職場です。
―― ありがとうございました!
仕事の様子
撮影の合間におやつまで用意していただきました。
鉄板焼きが得意という施設長が焼いたパンケーキに、手づくりの梅ジャムが添えられていました。
ふるさと比企で高校生と企業をつなぐ縁結び事業とは
「ふるさと比企で高校生と企業をつなぐ縁結び事業」とは、卒業後に就職を希望する地元の高校生と地域企業のマッチングを促すことを目的とする事業で、2022年度に始まりました。
「地元には良い企業はあるのに知られていない」
「よく会社のことを知らないまま入社して、こんなはずじゃなかったと早期に退職してしまう人が多い」
こうした課題を解決するために、比企地域+1自治体の計9自治体(東松山市、小川町、吉見町、嵐山町、滑川町、ときがわ町、川島町、鳩山町、東秩父村)からなる比企地域元気アップ実行委員会様が企画しました。
9自治体から条件にあった企業をそれぞれ3社をピックアップし、就職を希望する高校生向けに最大27社分のPR動画(1社あたり約5分)を制作します。
制作した動画は比企地域元気アップ委員会のYouTubeチャンネルで公開するほか、対象企業様のHPなどでご活用いただく予定です。
公開は2023年7月を予定。
※2022年度事業につきましては、こちらのページをご覧ください。
2023年度対象企業様一覧(撮影が終了した企業様を記載しています)
東松山市
・高橋精機株式会社 様
・株式会社 木屋製作所 様
・伊田テクノス株式会社 様
小川町
・松岡醸造株式会社 様
・日本梱包運輸倉庫(小川営業所) 様
・株式会社クラフティ(越後屋スクールスタジオ東小川小学校スタジオ・越後屋ドローンスクール埼玉小川校) 様
滑川町
・森林公園観光株式会社 様
・株式会社 滑川環境保全 様
・社会福祉法人 滑川珠美園 様
ときがわ町
・みはし株式会社 様
・株式会社 清藤家具製作所 様
・有限会社 小澤建設 様
川島町
吉見町
・第一プレス工業株式会社 様
鳩山町
嵐山町
・有限会社ハッピーベル 様
東秩父村
・秩父鉱業株式会社 様
・槻川林産木工有限会社 様